本投稿はAP通信の記事「Congo’s Ebola outbreak tops 10,000 cases as authorities race to slow the spread in African countries」を参照しています。
日本においてエボラ出血熱の感染報告は確認されておらず、あまり関心があるとは言えない状況である。ただしAP通信の記事にもあるようにコンゴ民主共和国でのエボラ流行は過去に比べて大きく拡大しているの現状である。
報道では確定感染者が1万060人に達し、10月31日付の同通信は保健省の集計として感染者1万351人、死者5,026人を伝えた。
その致死率
エボラは感染すると深刻な影響を人体に与え、その致死率は25~90%、平均で50%とWHOは報告している。エボラとして確認されているウイルスには現在確認されているだけで3種類あり、Ebola virus、Sudan virus、Bundibugyo virusがそれである。本記事におけるコンゴでの流行はブンディブギョウイルスによるものである。
潜伏期間
私たちがいわゆるパンデミックを経験したのは2020年に始まったコロナウイルスであったが、そこでも潜伏期間中に接触した人はPCR検査を受けに行っていたことが思い出される。エボラも同様に潜伏期間があり、コロナではコロナ株の種類にもよるが1週間程度で発症すると言われていた。ところがエボラの潜伏期間は早ければ2日程度だが、長くて21日間の潜伏期間をもつとWHOは報告している。21日間であれば人間の活動量は大きくなり感染拡大には脅威である。
厚労省検疫所では潜伏期間の最大21日間を考慮し対応を行っている。以下がその対応である。
入国時の対応
DRCへの渡航・滞在歴がある人は、入国時に検疫官へ申告するよう案内されている。検疫官は、到着前21日以内の滞在歴や、患者の血液・体液などへの接触、針刺しや傷口への曝露、コウモリなどとの接触歴を確認する。航空機では通常のサーモグラフィーによる検温も行う。
症状があり、患者の体液などへの接触歴や動物との接触歴がある場合は、エボラ出血熱が疑われると判断されれば、医療機関への隔離措置が取られる。症状がなくても、予防策を取らず患者の体液に接触した場合などは、感染のおそれがあるとして、最大21日間の停留(医療機関などにとどめる措置)の対象になり得る。
感染流行地域に滞在した人などは、隔離・停留の対象とならない場合も、最長21日間の健康監視を受けることがあるとされる。公開案内では、朝夕に体温や症状を確認して検疫所に報告し、発熱、嘔吐、下痢、倦怠感などが出た場合は速やかに検疫所へ連絡するよう求めている。
エボラ感染者の拡大の影響はコンゴ民主共和国のヘルスケアにも甚大な影響を及ぼしている。病院への受診を避けたり、様々な理由によるワクチン接種の低下などが挙げられている。また妊婦が病院を避けることによる死亡例の報告も増加しているという。
円安で日本への渡航者が増えているなかで検疫で防ぐことは必要不可欠だが、万が一の国内での発症確認が現実のものとなったときに適切に対処できるか、コロナパンデミックを忘れかけている私自身に注意を促したい。